
「岡野家一同箱根温泉行き」は前回お話しさせていただきましたが…
現地集合が3時でしたので、その前に我が家6人で小田原市にある「江の浦測候所」という所に行って来ました。
今回の箱根行きが決まると間もなく、娘から「箱根に行くなら、ここ行ってみたい!」と家族ラインに江の浦測候所の情報が送られてきて…。
測候所???
と思いましたが調べてみると、庭園美術館のようなギャラリーのような、そんなでもなさそうな…???
写真家で現代美術作家の杉本博司氏という方が作られた施設で構想から竣工まで、何と20年以上の歳月をかけて進められてきた大プロジェクトだそうで、2017年の秋に開館したばかりです。
施設パンフレットによると、
「各施設は、ギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、門、待合棟などから構成される。また財団の施設は、我が国の建築様式、及び工法の、各時代の特徴を取り入れてそれを再現し、日本建築史を通観するものとして機能
する。よって現在では継承が困難になりつつある伝統工法をここに再現し、将来に伝える使命を、この建築群は有する。」
と説明されています。(😅ちょっと難しい…)
そして杉本氏は、こうもおっしゃっています。
「悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった。」と。
まあとにかくそういうすごい場所があるというので行って見る事にしたわけです。
見学は完全予約制。
午前と午後の二回のみで、近代以前の人口密度を体感できるよう入館人数にも制限があるそうです。
ネットで事前に申し込み、チケット購入、コンビニで発券して現地にむかいます。
東海道線の小田原と熱海の間にある根府川という海沿いの小さな駅が最寄り駅で、そこから車で5分ほど山道を上がったところが江の浦測候所です。
到着してみると、後ろは箱根外輪山、前には相模湾が広がる山の中腹に9496平米の広大な風景が広がっていました。
海に向かって突き出した細長いギャラリーです。
その側面がこれ、大谷石の自然剥離肌に覆われています。
その中を最後まで行くと…向こうは海!
ギャラリー先端からは、こんな景色が広がります。
夏至の朝は、真正面の海から昇った太陽光がこの空間を数分間にわたって駆け抜けるそうです。
100メートルギャラリーを外から見たところです。
こちらは、光学硝子舞台。
と、観客席。
古代ローマの円形劇場遺跡を実測して再現されたそうです。
光学硝子は冬至の軸線に沿って敷き詰められていて、冬至の朝硝子の小口に陽光が差し込み輝くのが見えるそうです!
ま〜いろいろ考えられているのですね〜
舞台の脇に見えるのは隧道の屋根です。
長さ70メートルの隧道の入り口はこちら。
冬至の朝、中を相模湾から昇る陽光が貫くそうです。
隧道は中も歩けます。
怖くてこの先は行けません💦
せっかくなので6人揃ったところをスタッフの方に撮っていただきました。
後ろは硝子舞台。
その向こうは相模湾です。
こちらは、室町時代に鎌倉の明月院の門として建てられた明月門。
関東大震災で半壊した後、再建されて根津美術館の正門として使われていたそうですが、根津美術館建て替えの際こちらに寄贈されたそうです。
明月院…ってこんな門があったのですね〜
千利休作と伝えられる茶室も…。
春分の日と秋分の日には、日の出とともに太陽の光がこの石鳥居をくぐってにじり口から茶室内に差し込むそうです。
挙げたらきりがないほど、見どころはつきません。
日本の古いもの、古代ローマのもの、フランスの古いもの…
いろいろな国のいろいろな時代の物が、この大自然の中に違和感なく溶け込んでいて…
とても不思議で素敵な場所です。
おじいちゃん、おばあちゃんは否応なく連れて行かれた😅わけで、大丈夫かな?と思っていましたが、心配ご無用でした。
とっても喜んでくれて、お二人なりに満喫してくれたようで、良かった〜!
私自身も「江の浦測候所」、気に入ってしまいました。
自分自身を展望したい時。
自分の来た道を展望したい時。
これから行く道を展望したい時。
良いかも…です。
子供達が大人になってからはなかなか6人揃って出かけることが難しくなっていましたが、たまにはいいですね、とっても楽しい二日間でした。